#1_退屈時にお飲みください

ある薬を手に取った。

とても安価なものだ。

いつでも何度でも摂取できるし、身も心にも傷がつく心配などない。

とても安全なものだ。

私はその薬を手に取った。

……一度手放してみる。

薬は机の上に転がった。

今一度その薬をよく見てみる。

黄色と赤色の二色でもって彩られている、小さな小さなカプセル錠。

飲み込むに容易い。

もう一度薬を手に取った。

軽い。これが私に幸福をもたらしてくれる。

……薬を見つめた。

そして、喉奥に放り込む。

そう試みて、この手は口の中で止まった。

親指と小指の間に、薬は挟まれたままだ。

ゆっくりと腕を下ろす。

依然として、薬はこの手の中に収まったままだ。

“薬”を見つめた。

私はそのいくらかの空白を飲み込んだ、その後、やっと薬を机の上に転がすことができた。

私は大層満足して、ふかふかのベッドに倒れこんだ。

一日は、そうして終わった。

ふと気が付くと、薄暗い明りが窓際のカーテンから漏れている。朝らしい。けだるいが、ゆっくりと重い体を起こす。そうして目を開けてやると、机が見えた。そして、あの小さなカプセル錠だけが、頭の中を渦巻いている。

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